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末端肥大症とは?

太田西ノ内病院 内科

 成長ホルモンは、脳下垂体から分泌され人体の成長を促進させるホルモンです。このホルモンが多すぎると発育期では身長が異常に伸びる巨人症となり、すでに成長が止まった大人では末端肥大症になります。脳下垂体にできた成長ホルモンを異常分泌する腫瘍(下垂体腺腫)によることがほとんどです。末端肥大症では骨の節々が肥大し、また軟部組織も肥厚するため特徴的な顔貌になり(眼窩上部・顎の突出、口唇・鼻の肥大)、手足が肥大したり(靴や指輪のサイズが大きくなる)汗かきになったりもします。また成長ホルモンは血糖を低下させるインスリンの作用を弱めたり腎臓での水や塩分の再吸収を亢進させる作用があるため、高血圧や糖尿病になることもあります。腫瘍が大きくなると近くを通る視神経を圧迫し視野障害が起こったり頭痛の原因になることもあります。しかしこれらの変化は非常にゆっくりであるため本人ばかりでなく周りの人もなかなか気付かないことが多いようです。さらに一般的に心血管障害を起こしやすく寿命が約十年ほど短くなるといわれています。
 診断をつける場合にはまず上記の外見上の変化が参考になります。久々にあった人に指摘されたり、他の原因で医療機関を受診した時に本症を疑われ診断されることもあります。時には昔の写真が役に立つこともあります。最終的には採血により成長ホルモンの過剰分泌を証明し、さらにCTやMRIによって下垂体腺腫の存在を確認します。
 治療には手術療法、薬物療法、放射線療法があります。一般的にはまず手術により原因となっている下垂体腺腫を摘出します。手術の効果が不十分のときやなんらかの原因で手術が出来ない場合あるいは患者さんが手術を拒否する場合には他の治療法を行います。治療によりホルモンが正常化すると肥大した軟部組織は元に戻り、高血圧や糖尿病も改善します。腫瘍の摘出により視神経の圧迫が解除されれば視野障害も改善します。
 末端肥大症はあまり多い疾患ではありませんが、本症による障害は外見上のものばかりではありません。この疾患をこれまで知らなかった方も、思い当たるところがあれば積極的に検査を受けることをお勧めします。

 
 

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