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悪性リンパ腫

太田西ノ内病院 血液内科

 この病気は、主にリンパ球の腫瘍化によって発症して来る病気です。大きく分けて、ホジキン病と非ホジキン病とがあります。わが国では、ホジキン病の頻度は欧米に比べて少なく、悪性リンパ腫の大部分は非ホジキン病です。従ってここでは、非ホジキン病について説明します。リンパ球はB細胞、T細胞、NK細胞と呼ばれる細胞から構成されています。腫瘍化した細胞によって、B細胞性リンパ腫、T細胞性リンパ腫、NK細胞性リンパ腫に分類されます。各々のリンパ腫は、病理組織学的に、または臨床的に、さらに細分化されています。悪性リンパ腫では、通常全身のリンパ節が腫れてきます。リンパ節の他には頻度の多い順に、消化管(胃、腸)、鼻・口腔、皮膚、眼窩、脳、甲状腺、生殖器、骨など、全身のどこからでも悪性リンパ腫は発症してきます。まさに、全身の悪性疾患です。原因については、ウイルスの感染によって発症する特殊なリンパ腫を除き、大部分は不明です。最近、遺伝子学的に、バーキットリンパ腫でc-myc、ろ胞性リンパ腫でBCL2、マントル細胞リンパ腫で cyclin D1/PRAD1、びまん性大細胞型リンパ腫でBCL6と各々呼ばれる遺伝子を含む染色体転座が、高頻度に報告されています。治療法は、抗癌剤の点滴や内服による全身投与、局所への放射線照射が一般的です。病気の全身への広がりの程度(臨床病期分類)によって、治療法の選択が変ってきます。最近では、造血幹細胞移植を併用したより強力な化学療法も実施されるようになって来ました。悪性リンパの予後は年々改善されてきてはいますが、5年生存率は平均で40%台と依然低い数値にとどまっています。頚部、腋窩部、ソ径部などに無痛性のしこり(リンパ節)を触知したり、微熱、体重減少、寝汗などの自覚症状が続く時は早めに医療機関を受診し、悪性リンパ腫の可能性を早期に診断してもらうことが必要です。

 
 

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