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最近注目されている原虫・寄生虫感染症

太田西ノ内病院 血液内科

 海外渡航者の増加やHIV感染症などによる免疫不全者の増加により、本邦でも輸入感染症や日和見感染症が問題になってます。その原因として、原虫や寄生虫が挙げられます。

【原虫感染症】

これはHIV感染症など免疫不全の方に合併し、重篤化しやすい感染症です。

1)カリニ肺炎 エイズ患者に見られることで有名になりました。カリニ肺炎の多くは不顕性感染の再燃で、予防処置をしなければエイズ患者の7割に合併します。
2)トキソプラズマ症 これはネコの糞便から出たオーシスト(原虫の一形態)を経口摂取することで感染することが多く、また原虫の入っている良く調理されていない子羊の肉、豚肉、牛肉を食べることでも感染します。トキソプラズマ脳症が問題になります。
3)赤痢アメーバー症 腸アメーバーと肝膿瘍があります。男性同性愛者での性行為感染によることが多いようです。
4)クリプトスポリジウム症 水を介して感染する下痢症で世界中で発生しています。本邦でも本原虫による水源汚染が問題になってます。
5)イソスポラ病 便から口への経路で汚染された食物を介して感染します。下痢と発熱が特徴です。
6)マラリア ハマダラ蚊により媒介されます。マラリア流行地へ旅行し日本へ帰国してから発病する方が増えてます。

【寄生虫感染症】

回虫症などは化学肥料の使用や食生活の改善のため都市部ではほとんど見られなくなりましたが、有機栽培やグルメ嗜好で一部のものが復活してきました。

1)胃アニサキス症 アニサキスを持っているサバ(しめサバ)、アジ、イカなどの海産物を生の状態で食べ感染します。感染すると数時間後から悪心、嘔吐、上腹部痛が出現します。内視鏡下に虫体を摘出することにより速やかに症状が改善します。
2)回虫症 本邦ではほとんど見られなくなりましたが、有機栽培野菜の摂取や開発途上国へ旅行する方が増えて、増加傾向にあります。
 
 

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