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血痰(けったん)がでたら

太田西ノ内病院 呼吸器科

 たんに血がまじると、多くの方は深刻な心配をされるでしょう。昔は、血たんが出るとすぐに肺結核を考えたものでした。最近では、血たんというと肺がんを心配される方が増えました。しかし、それは医学部学生の口頭試問の答えと同じで、難しい病気、稀な病気から答え出すのと似ています。
 米国のある呼吸器の専門病院の統計では、血たんの原因は、40%が上気道炎(かぜと思えば良いでしょう)、40%が原因不明(精密検査をしても原因が分からず、結局治ってしまうのですから、これもかぜのようなものとして良いでしょう)で、残りの20%のなかにさまざまな病気が入ってくるのです。気管支炎や肺炎、気管支拡張症など比較的ポピュラーな病気や、耳鼻咽喉科の病気などを除けば、残りの数%のなかに、結核や肺がん、肺塞栓血栓症といった重大な病気があるわけです。だから心配しなくてよいですよというのではありません。はじめから深刻な病気を考えて心痛してはいけないということで、心配(心を配る)はするべきなのです。
 昔、肺結核をなさった方は、気管支が変形、拡張していることが多く、ちょっとした気管支炎などでも血たんをみることが稀ではありませんが、血たんを繰り返す場合には、すぐに呼吸器科を受診しましょう。できれば、紙ではなくて、ガラスの容器などにたんをとって、医師にみせるとよいでしょう。その時に、はじめの色が鮮やかな赤色だったか、黒ずんでいたかなども覚えておきましょう。喀血(かっけつ)は血たんとは違って、気道から血を吐く訳ですが(鮮やかな赤色)、食道や胃から出るもの(吐血といい、黒ずんでいることが多い)と紛らわしいことがあります。いずれにしても、実際に出た量よりも多く考えてしまうのが普通ですから、冷静に対処して、すぐに病院に行きましょう。

 
 

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