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くも膜下出血

太田西ノ内病院 脳外科

◆くも膜下出血とは何?

 脳の主要な血管は、脳とその表面にあるくも膜と呼ばれる薄い膜の間にあります。脳の血管が裂けた場合には、この脳とくも膜の間(くも膜下腔)に急激に広がるため、くも膜下出血と呼ばれています。

◆原因はどんなものがあるの?

 脳の血管にできた“こぶ(脳動脈瘤)”が破れて出血することが最も多い原因です。その他に脳内の血管奇形(脳動静脈奇形)やできもの(脳腫瘍)、白血病などの血液疾患、頭部外傷なども原因となります。今回は脳動脈瘤についてお話いたします。

◆どんな症状なの?

 頭痛が一般的です。軽い頭痛もあれば、今まで経験したことのない激しい頭痛(バットで頭を殴られたような痛み)もあります。また軽いめまいや吐き気、肩こりなどの症状で、風邪や疲れと診断されることもあります。出血が多かったり、脳の重要な部分に影響が及びますと意識を失うこともあります。

◆どんな人がなりやすいの?

 脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血は40〜50歳台の働き盛りの方に最も多いのですが、小児から高齢者まで全年齢で発症します。喫煙する方、高血圧の方、飲酒される方などに多いとの報告例もあり、また家族性に発生することもあります。

◆どんな検査をするの?

 医師が先ずお話を伺います。大体は、お話でくも膜下出血を疑い、頭部CT検査をおこないます。これは検査台に寝ているだけの検査で2分くらいで終わります。この検査でくも膜下出血がわかれば、出血の原因を確認するために当院では引き続きCTで脳血管検査(3D−CTA)をおこないます。これは肘の静脈に点滴をさし、薬(造影剤)を入れながら連続的に撮影します。造影剤を入れ始めて撮影が終わるまで約2分ぐらいかかります。これで、検査は終了です。その後、コンピュータで処理をして結果がでるまで約10分ぐらいです。早ければ頭部CT検査を始めて15分ぐらいですべての結果がでます。
 場合によっては頭部CT検査の後に、太ももや肘、頸の動脈に管を通して脳血管撮影をおこなったり(セルジンガー法)、頭部CT検査の代わりにMRI検査を最初にする病院もあります。MRIとは大きな磁石を利用した検査器械で放射線がでないので妊婦さんでも検査ができます。MRIでも脳血管の検査(MRA)ができます。MRAは造影剤を使わなくても脳の血管がわかります。

◆どんな治療をするの?

 脳動脈瘤は何回も破裂します。破裂した回数が多いほど後遺症を残したり、命を落とす危険性が高くなります。そのために破裂しなくする治療が必要です。出血したらなるべく早く治療する必要があります。
 現在の脳動脈瘤に対する治療法は大きく二つに分けられます。


@開頭手術
一般的な治療法で、全世界、全国各地でおこなわれています。
全身麻酔をかけ、頭の皮膚を切り、頭蓋骨を部分的にはずし、脳動脈瘤を顕微鏡下に確認し、金属性のクリップを動脈瘤の根元にかけます。クリップは生涯、頭の中に入れておいても大丈夫です。手術時間は3〜8時間くらいです。


A血管内手術
一部の脳動脈瘤に対して最近用いられている治療です。開頭手術をすることなく脳動脈瘤の内側にプラチナ製のコイルを詰めて、動脈瘤の内部を固まらせてしまう治療です。局所麻酔でセルジンガー法でおこないます。所要時間は3〜6時間くらいです。
この治療法ができるのはごく限られたケースで、すべてにおこなえるものではありません。

◆手術をすればもう心配ないの?

 再出血の心配はありませんが、脳内に出血した影響がでることもあります。
 手術後、脳血管攣縮(のうけっかんれんしゅく;脳の血管が細くなり脳に血液が流れにくくなってしまう)や水頭症(すいとうしょう;脳の中を循環している脳脊髄液がたまってしまいボーとなった
り、尿がもれたり、歩けなくなったりする)などがおこることもあります。
 手術後約2〜3週間は要注意期間が続きます。

◆太田西ノ内病院ではいつでも診てくれるの?

 もちろんです。月曜日から土曜日までの午前中、火曜日と金曜日は午後も外来診察をしています。また救急患者さんは外来時間にかかわらず、24時間受け入れています。緊急手術はもちろん、最近では血管内手術もおこなうようになりました。
 脳についてちょっとしたことが聞きたい、知りたいと思っている方は気軽にメ−ルください。できる限り早くお答えいたします。
E-mail:mac-k@ohta-hp.or.jp

 
 

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