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自然気胸

太田西ノ内病院 呼吸器外科

 自然気胸という病気はヒポクラテスの時代から認識されている病気です。この病気の本体は、肺の一部(正確には胸膜)に穴があいて、そこから吸った空気が胸腔内にもれて、それによって肺が縮んでしまうことにあります。症状としては、胸痛、呼吸困難が主なものです。肺の萎縮の状態・程度によって、呼吸ができなくなったり、ショックになったり、胸腔に出血して血気胸になったりします。このように気胸は、ちょっとした胸痛から命に関わるようなショックなど、決してないがしろにできない病気といえます。胸膜が破れるといっても、突然何もないところが、破れるのではなく、胸膜の一部が弱くなって、風船のように膨らみ(肺嚢胞)、その一部が破れて、そこから空気が漏れることになります。ちょうどお餅を焼いたときに、プーとふくれて破れるような感じと思えばよいと考えます。治療は肺の萎縮の程度にもよりますが、萎縮が少ないときには、そのまま安静で経過観察となります。萎縮の大きいときには、胸腔に管をいれて、持続的にまたは一時的に、胸腔の中にたまった空気を外に出すことになります。これによって、肺が拡がり空気の漏れが止まると、管を抜いて治ることになります。このときに肺嚢胞がどのようになったかは、個々によって異なります。空気の漏れが止まらない場合には、そのまま管を入れておくと、細菌がついてしまうことがあり、手術によって止めなくてはなりません。手術したほうがよいのは、
  1.空気の漏れが続く場合。
  2.空気の漏れが非常に多い(管で引ききれない)場合。
  3.再発を繰り返す場合。
  4.両側が一度になった場合。
  5.出血が多い場合。
  6.パイロットなどの職業の人の場合。
などです。手術は胸に3−4カ所、1−2cmの小孔を開け、そこから胸腔鏡や鉗子等を入れ、テレビの画像に映しながら、破れた嚢胞を肺の一部と共に切除し、その小孔の一つに管を入れ肺を再膨張させます。管は何日か後に抜きます。最後に、若い人で、気胸の原因となっている肺の嚢胞が、どのようにして起こるかははっきりしておりません。ただ、壮老年の人で、タバコを吸っている人は、程度の差はあれ、肺が壊れて、その部分に流れ込んだ空気が排泄しにくくなり、嚢胞が形成され、治ることはありません。気胸には他の原因や、ある種の病気もありますが、それについては、また別のところで。

 
 

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