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日焼けの功罪

太田西ノ内病院 皮膚科

 昔から日光浴は体に良い、骨が丈夫になると考えられてきました。確かに紫外線を浴びると、骨を丈夫にするビタミンD3が皮膚で作られます。ただし、1日に必要なビタミンD3は、顔や腕に2〜3分の日光を浴びれば作られます。さらに、日本人は、食物から十分量のビタミンD3を摂取しています。つまり、骨を丈夫にするためには日常生活で浴びる程度で十分で、わざわざ日光浴をする必要はありません。
 地上に到達する太陽光線には、赤外線、可視光線、紫外線(UVA、UVB)があります。近年、紫外線による様々な害が明らかになりつつあります。第一に、紫外線を急に長時間浴びることにより「日焼け」をおこします。日焼けはやけどと同じで重症になれば水ぶくれを生じ、全身に及べば入院治療が必要になることもあります。長年にわたり紫外線を浴びると「しみ」や「しわ」などの光老化を生じます。九州は東北に比べ2倍近く紫外線量が多く、50歳代になると九州の人のしみやしわの状態は東北の人に比べ10歳近く進行しているというデータもあります。さらに、光老化が進むにつれ光発癌の危険性も高くなります。皮膚癌は日光に当たりやすい部分にできやすく、紫外線量の多い地域に住む人に皮膚癌が多いことも知られています。また、欧米(白人)では10歳までに強い日焼けをすると皮膚癌が発症しやすくなるというデータがあります。
 光老化、光発癌を予防するには、紫外線を避けることです。具体的には、紫外線の強い正午前後2時間(特に4〜9月)の外出時は帽子、長袖シャツ、日傘などで直射日光を避け、露出部には日焼け止めを塗ることです。日焼け止めにはSPFとPAの表示がされていますが、SPFはUVB、PAはUVAに対する防御効果を示しています。日常生活ではSPF10、PA+、2〜3時間のスポーツではSPF30、PA++、リゾート等ではSPF50、PA+++を目安に選んで下さい。なお、日焼け止めは汗やこすれることで効果が落ちるので2時間位で塗り直す必要があります。

 
 

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