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妊娠合併症での注意

太田西ノ内病院 産婦人科

 いわゆるhigh risk pregnancy (ハイリスク妊娠)は「臨床医学的、産科学的、社会的異常が認められ、母子ことに胎児・新生児に死亡あるいは疾患を発生させる確率の高い妊娠」を意味し、そのカテゴリーの中に妊娠合併症がある。
問題となる妊娠合併症として次のようなものがある。

妊娠異常症

・妊娠高血圧症候群
・前置胎盤、胎盤機能不全を含む胎盤異常
・多胎妊娠
・骨盤位や横位などの胎位、胎勢の異常
・羊水の混濁および羊水過多、羊水過少
・流早産および過期産
・前期破水など

婦人科的妊娠合併症

・卵巣腫瘍
・子宮筋腫
・子宮頚癌など

内科的外科的妊娠合併症

・慢性腎炎
・本態性高血圧
・全身感染症(ウイルス感染、細菌感染)
・血液疾患(血液型不適合、特発性血小板減少性紫斑病など)
・心疾患
・てんかん
・糖尿病
・甲状腺機能亢進症
・膠原病(SLE,慢性関節リウマチなど)
・肥満、極度のやせなど

 妊娠異常症については発見が遅れることによって母児に重大な結果を招くことがあり、定期的に妊婦健診をうけることが大切である。異常を早期に発見し管理していき、病状によってはNICU<新生児集中治療部門>の完備した高次医療機関への母体搬送が必要になる。
 偶発妊娠合併症については専門医と連携して管理していくことが重要で、各科のそろった総合病院での管理が求められる。妊娠は母体にとってかなりの負荷がかかる状態であり、合併症があることによって、母児に重大な結果を招くことがある。したがって、腎炎、糖尿病、SLEなどの自己免疫疾患、心疾患などは妊娠前に充分コントロールし、専門医の妊娠許可を得てから妊娠すべきであるし、妊娠前に妊娠可能かどうか専門医とよく相談する必要がある。また、糖尿病、SLE、風疹などのウイルス感染などは妊娠初期から胎児への影響が大きく注意深い管理が必要となる。

 
 

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