TOP医学小知識>心的外傷後ストレス障害

医学小知識

心的外傷後ストレス障害

太田西ノ内病院 精神科

 心的外傷後ストレス障害(posttraumatic stress disorder - PTSD)とは深刻な心理的外傷体験のあとに様々な主として精神症状が出現し長期間持続している状態を差しています。その特徴は以下の4つにまとめられます。

1.自分や他人の身体的安全が危険にさらされるという状況を体験し、極度の恐怖、絶望な
  どの反応を伴う場合。例えば、阪神淡路大震災の被災者、地下鉄サリン事件や大阪の小
  学生殺傷事件の被害者やその場に居合わせた人々の体験。
2.その後、繰り返し苦痛を伴ってその体験が思い出されたり、恐ろしい夢を何度も見る。
3.外傷に関係した会話や、外傷を思い出させるような場所や人を避け、様々な活動に対す
  る興味を失い孤独を感じるようになる。
4.不眠、いらいら感、注意集中の困難、過剰警戒。

 この様に外傷体験が深刻なものであるとき、その危険が去っても長期間にわたって精神的な苦痛が持続しその結果、通常の生活に適応できなくなることがあります。そのため早期から安全な環境を提供し、苦痛に対して理解と共感を示し心に傷を残さないような対応が必要になります。実際、小学生殺傷事件の後には事件の現場になった教室を使わないようにし、あわせて専門家たちが家庭を訪問して面接を行うなどの対応が取られました。
 今後は、大事件や大災害だけではなく、レイプなどの犯罪、交通事故、いじめ、虐待などの被害者に対しても目を向け適切な対応が取られることが期待されています。

 

 
 

一般財団法人 太田綜合病院 Copyright © Ohta General Hospital All rights reserved .