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帯状疱疹後神経痛のお話

太田西ノ内病院 麻酔科

 帯状疱疹は水痘症に罹った患者さんの神経節に潜伏感染していた水痘帯状疱疹ウィルスが、加齢やストレスなど体の免疫力が低下した時に再び活動を始めて発症します。
 全身いたる所、頭の先から足の先まで出現し、神経支配と一致した場所に発疹を形成します。発症年齢も乳幼児から老人までと幅広く、年齢が高くなるほど増加傾向となっています。一部では“つづらご"とも呼ばれています。
 帯状疱疹は強い痛みを伴うことが特徴です。急性期には、発疹に水疱がみられ、ひどい時には皮膚潰瘍も生じます。治療は抗ウィルス薬の服用、発疹部に対する消毒、軟膏処置、痛みに対して、痛み止めの服用や坐薬の使用が一般的です。しかし、急性期より耐え難い強い痛みが続いたり、帯状疱疹が治ったのに痛みが残ったり、一時、帯状疱疹も痛みも良くなったのに1ヶ月程して再び痛みだけが出現したりする場合があります。これが帯状疱疹後神経痛(慢性痛)です。
 痛みの質は人によって様々で、針で刺されるような痛み、服が触れると耐え難いなど持続的な痛みから非連続的な痛みまであります。また、何か夢中になると忘れたり、風呂に入って温めると楽になるのも特徴的です。これは、急性期の痛みは神経の炎症によるものに対し、慢性期の帯状疱疹後神経痛は神経障害によるものだからです。患者さんは痛みを完全に取って欲しくて来院しますが、帯状疱疹後神経痛の治療には、完全な方法はありません。痛みが残ってしまうのが現状です。痛みは年齢が高いほど、初期の治療が遅くなるほどひどくなる傾向があります。皮膚科での治療だけでなく麻酔科での神経ブロック等の痛みに対する治療を積極的に早く始めることにより痛みは軽減できます。現在、帯状疱疹後神経痛を発生させないように水痘ワクチンの研究がアメリカで進行中です。その予防がうまくいけば、一生残る帯状疱疹後神経痛から開放されると思います。

 
 

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