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交通事故と多発外傷 〜自動車事故で少しでも怪我を負わないようにするために〜

太田西ノ内病院 麻酔科

 あなたなら車を買うときに軽乗用車にしますか?普通乗用車にしますか?大きい方が安全そうだから普通乗用車を選びますか?私たちが救命救急センターで毎日のように交通事故の患者さんを診ている経験から、あなたの車選びにアドバイスをいたしましょう。
 今回は私たちのデータの中から正面衝突事故に限ってお話しします。もし、シートベルトをしないで乗るつもりなら答えは「どちらでも同じ」です。私たちのデータでは軽/普通車の運転手の重傷度に変わりはなく、どちらも同様に重症を負っていました。一方、シートベルトをきちんと締めて乗るなら、普通車のほうが胸の怪我が軽乗用車よりもやや軽くて済みます。手足の重傷度も普通車のほうがやや軽いようです。これは衝撃緩衝部分(ボンネット)が、軽乗用車では普通車よりも短いことが原因と考えています。軽乗用車のほうが衝突時にダッシュボードやハンドルが車内に侵入してしまう程度が大きいためにハンドルに胸がぶつかり、足が挟まれ、胸と足の重傷度が高くなるようです。しかし、最新の軽乗用車は全長が伸びエアバッグも装備されており大分改善されていると推測されます。従ってエアバッグつきで、かつシートベルトをきちんと締めるのであれば軽/普通車の間にはさほどの安全性の違いは無いと思います。
 軽/普通車の違い以上にシートベルト着用の有無は万一の時の重傷度に大きな影響をもっています。シートベルトなしで正面衝突した場合、頭・首・胸・腹のすべての重傷度が、シートベルトありの場合よりもはるかに高くなってしまいます。車選びに際して安全性を気にするなら、とにかくシートベルトを締めることです。おっと、エアバッグつきの車を選んだら、ますますシートベルトを締めないといけません。ベルトをしないと衝突時に体が前方に投げ出され、却ってエアバッグに強烈に顔面や胸を叩かれ、眼球や肺や心臓が破裂することがあります。まあ、そんな時でも救急車でいらしていただければ24時間365日、出来るだけの救命処置を致します。

 
 

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