太田西ノ内病院 呼吸器科
間質性肺炎は、肺の間質(主に肺胞と肺胞とを境する壁)を中心に炎症を起こしてくる疾患です。炎症が肺全体に広がった場合、びまん性間質性肺炎と言い、長びくと肺は線維化を起こし肺線維症に移行し、呼吸不全に至ります。原因としては、明らかなものと原因不明のものがあります。明らかなものとしては、薬剤、放射線、ウイルス、無機塵、有機粉塵などがあり、また、膠原病など全身疾患との関連で見られるものもあります。しかし原因不明のことも多く、これを特発性間質性肺炎といいます。一般にびまん性間質性肺炎と言う場合には、原因不明の特発性間質性肺炎をさすことが多く、予後は不良です。これらの間質性肺炎の共通の症状は、労作時の息切れと乾性咳(痰を伴わない咳)です。
特発性間質性肺炎:原因不明の間質性肺炎で、頻度は人口10万人に対し3人程度にみられ、年齢では中高年者に多く、男性にやや多い傾向があります。発症の経過から急性型と慢性型に分かれますが、大半は慢性型です。急性型は、発熱や咳など感冒症状が先行することが多く、その後呼吸困難が急速に進行し呼吸不全に至ります。慢性型は、労作時の息切れや咳で気づくことが多く、緩徐に経過しますが、時に急性増悪をきたし急速に呼吸不全に至ることもあります。診断は、胸部X線やCT検査、気管支鏡検査による肺生検などの検査で診断します。治療は、急性型や慢性型の急性増悪時にはステロイド剤の大量投与や免疫抑制剤の投与を行いますが、予後は不良で、ステロイド剤に反応しない場合は急激に死の転機をとります。慢性型の安定期には対症療法が主体です。日常管理が重要で、感冒に注意し、外来通院も定期的に経過を見て行くことが大事です。
労作時の息切れや乾性咳(痰を伴わない咳)が長く続く時には、間質性肺炎の可能性がありますので早めに太田熱海病院又は太田西ノ内病院呼吸器科の医師の診察を受けてください。
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