
「人を中心に、地域とともに」
太田綜合病院は、明治28年の創立以来、「すべての人に医療の門戸を開く」という志を原点に、「生命の尊厳」を礎として、地域の健康と福祉を守り続けてまいりました。
おかげさまで、2025年に創立130周年という大きな節目を迎えることができました。これまで歩みを止めることなく地域とともに歩んでこられたのは、職員一人ひとりの努力と、地域の皆さま、関係機関の温かなご支援の賜物であり、あらためて深く感謝申し上げます。
現在、医療を取り巻く環境は、人口減少と少子高齢化の進行、医療・介護人材の不足、物価やエネルギーコストの高騰、そして制度と現場との間に生じるさまざまな不整合など、構造的な変化の只中にあります。こうした状況は一時的なものではなく、今後も続くことを前提に、医療機関にはより高い柔軟性と持続力が求められています。だからこそ、私たちは立ち止まるのではなく、変化を恐れずに歩みを進めなければなりません。医療や介護は地域の暮らしを支える社会基盤であり、その灯を絶やさないためには、事業の継続性と理念の継承、その両立が欠かせません。
私たちは、急性期から在宅まで切れ目のない医療を提供する「地域完結型医療」の中核としての役割を、これからも着実に果たしていきます。太田西ノ内病院、太田熱海病院、介護・訪問事業、看護師養成校など、財団全体が一体となり、それぞれの機能と強みを活かしながら「選択と集中」を明確にし、限られた資源を最も必要とされる分野へと投じていきます。行政や教育機関、経済界とも連携し、社会の成熟期における「地域の総合力」を、保健・医療・福祉の面から支えていくことが、私たちの使命です。
どれほど制度や環境が変化しても、医療の中心にあるのは“人”です。人に寄り添い、仲間と力を合わせ、地域を思い行動する職員一人ひとりの存在こそが、太田綜合病院の最大の原動力です。職員がやりがいを感じ、成長を実感しながら安心して挑戦できる環境を整え、その力が地域医療の質として発揮されることが、私たちに求められている社会的責任であると考えています。
130年の歩みは、過去を誇るためのものではなく、未来を切り拓くための礎です。これまで培ってきた信頼と経験を大切にしながら、地域とともに、これからの社会を保健・医療・福祉の面から形にしていく。
郡山、そして福島から、地域の皆さまと共に、安心できる豊かな社会を創ってまいります。
2026年1月
一般財団法人 太田綜合病院
理事長 太田善雄