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主な疾患別診療内容 - 糖尿病センター

私たちの専門知識・チーム医療が対応可能な疾患は糖尿病、肥満症、低血糖症です。

糖尿病

血糖コントロールを改善するための治療には、食事療法、運動療法そして薬物療法(経口薬療法、インスリン療法(持続性皮下注入療法を含む))があります。
当センターでは、外来と入院でのチーム医療を通じて、皆様の生活スタイルにあった個別化した食事療法、運動療法、薬物療法を経験豊富な各部門の専門スタッフが提供します。また、充実した検査体制で糖尿病合併症の早期発見を目指し、最新のガイドライン*1とエビデンス*2に基づいた治療を行います。
糖尿病の合併症を予防するためには、血糖のみならず血圧や脂質のコントロールも重要です。血圧や脂質についても、血糖コントロール同様に、一人ひとりの病状にあった治療をご提案します。

【用語説明】
 *1ガイドライン:科学的根拠に基づき、病気の予防/診断/治療等の根拠や手順をまとめた指針
 *2エビデンス:根拠に基づく医療/p>

治療方針

自己管理教育支援
患者さん自身による生活習慣の自己管理は軽視されがちで、かつ敬遠されることも多いのが実情です。
経験豊富なスタッフによるチーム医療で、患者さんの生活習慣、価値観、人生観など、様々なニーズを把握することに努め、一人ひとりに適した自己管理教育支援を行います。(下図参照)

『患者さん中心の意思決定サイクル』を実現するには、患者さんの同意とご協力が必要不可欠です。また、この取り組みはアンケートなどを通じて定期的に評価し、管理計画の改善に役立ております。

食事療法

検査値や症状が個々に異なる様に、誰にでも合うワンパターンな食事療法はありません。また、特定の栄養素や食品を推奨・禁止するようなこともありません。(これを食べればよい、あるいは食べなければ大丈夫など)
管理栄養士を中心に、食生活について聞き取りを行い、食べる時間、回数、バランスに乱れや偏りがないか確認いたします。お聞き取りした内容と検査データをもとに、合併症の予防や生活の質向上・最適化を目標とした『食生活の問題点と改善策』をご提案いたします。

運動療法

運動療法は食事療法と並んで糖尿病治療の基本と言われております。
当センターでは、一人ひとりの体力や生活習慣、合併症の調査を行い安全で効率的な運動療法の実践を目指しております。(下図参照)

当院の運動指導室は様々な疾患に対応した運動療法を提供していますので、医師による評価、許可があればご希望の方はどなたでも参加出来ます。
また、ご自宅で無理なく継続できるような、日常生活の身体活動量の増加を目標とした計画もご提案いたします。
 
※運動指導室についは運動指導室のご案内をご覧ください。
※YouTubeに参考動画をアップロードしております。こちらよりご覧ください。

薬物療法

「糖尿病診療の目的」は、患者さんの「合併症の抑制」と「生活の質の向上」となります。食事、運動療法と並んで薬物療法を行う目的も、当然この「糖尿病診療の目的」と同じになります。
 
薬物療法を追加して血糖コントロールを良好に保つことで、5年〜10年先の糖尿病三大合併症(糖尿病性神経障害、網膜症、腎臓病)の発症を減少させることが期待できます。しかし、血糖コントロールを不良(ヘモグロビンA1c値*3 >8.0〜8.5%)のまま放置すると、それより前に三大合併症が進行する場合があり、それぞれ下肢切断、失明、人工透析(腎臓で尿が十分作れなくなる状態)の原因となります。 合併症はいったん進行すると元に戻すことができず、生活の質を大きく下げてしまいますので、予防することがとても大切です。
 
食事と運動療法だけでは、どうしても目標の血糖コントロールに到達し維持することが難しいと考えられる場合には薬物療法を提案します。しかし、薬物療法を追加した後も、できるだけ薬物療法の負担を軽くするためには、ご負担の強くない範囲で食事、運動療法の継続が必要です。 治療に占める食事、運動療法の割合が少ないほど、当然薬物療法に頼る割合は増え、薬の副作用の危険性も増える可能性があります。
一方で、適切な薬物療法を行わず、血糖コントロール不良のまま放置すると、前述のように急速に合併症が進み回復が難しくなる場合もありますので、適切な専門的判断が求められます。

【用語説明】
 *3ヘモグロビンA1c値:2〜3ヶ月間の平均血糖値を反映する値
 
 

1型糖尿病患者さんへの薬物療法
基本は強化インスリン療法(食事ごとの血糖値上昇を抑えるインスリンと空腹時の血糖値上昇を抑えるインスリンとを組み合わせて調節する治療)になります。
患者さんの生活スタイルの違い(食生活や日常の運動量、仕事内容など)を確認しながら、ご希望や必要に応じて血糖変動が確認できる持続血糖測定器(下図参照)も活用して良好な血糖コントロールを達成できるように支援します。

2型糖尿病患者さんへの薬物療法
薬物療法は生活習慣の自己管理(適切な体重管理と食事/運動療法)への取り組みと共に行い、できるだけ薬物療法に頼らない治療を目指します。この考え方は医療費の節減や合併症を予防して健康を維持ための費用対効果の観点からも有効性が証明されています。
お薬を処方する際の基本方針としては、米国および欧州糖尿病学会の推奨する最新のガイドライン*1を参考にしてします。
お薬による副作用防止のためにも、内服薬はできるだけ3剤までに留めることを目指し、一人ひとりに合った、より安全でかつ有効なお薬から処方します。

 STEP1 

薬物療法を始める際には低血糖を増加させない薬剤から選択するのが基本です。
一般的には、60年以上にわたり安全性と有効性が証明されてきたメトホルミンが多くの患者さんへ最初に処方するお薬(第一選択薬)になります。
メトホルミンは少量(1日500mg)から開始して、下表の腎機能に応じた1日最高投与量を目安にゆっくり増量します。

 STEP2 

2剤目以降に処方するお薬は、合併症(動脈硬化症、腎臓病、心不全)の有無とや副作用・負担に留意して選択します。
お薬の副作用は様々ですが、特に『肥満患者さんの体重を増加』、『認知症が懸念される高齢患者さんの低血糖(血糖値が低くなりすぎること)』に留意した処方を行います。
より効果的に血糖コントロールが行えるようインスリンの体内分泌量を評価しながら、患者さんに適したお薬を提案いたします。

※個々の病状により効果や副作用に差がございますので、
 詳しい内容やご不明な点などは外来/病棟担当医にご確認下さい
※薬物療法の詳しい解説は こちら をご参照ください。(主に医療従事者向け)

【用語説明】
 *1ガイドライン:科学的根拠に基づき、病気の予防/診断/治療等の根拠や手順をまとめた指針

肥満症

福島県は小児・成人とも肥満率の高い県です。将来の生活習慣病の予防のために、体重を適正に保つことが重要です。
当院は日本肥満学会認定肥満症専門病院として、肥満予防外来(減量外来)を開設しております。

肥満とは・・・?

日本肥満学会では、肥満とは体格指数(BMI=体重/身長(m)×身長(m))が25以上、もしくは内臓脂肪(腹部CTにて100cu以上)と定義し、特にBMIが35以上を高度肥満と定義しています。
さらに上記の肥満・高度肥満のなかで以下の11のいずれかの健康障害を合併した場合内臓脂肪蓄積(腹部CTで内臓脂肪面積100cm2)を医学的に減量の必要な病態としそれぞれ、肥満症・高度肥満症と定義します。

肥満症・高度肥満症の定義要因となる健康障害

1. 糖尿病・耐糖能障害
2. 高血圧
3. 脂質異常症
4. 脂肪肝・非アルコール性脂肪性肝炎
5. 脳梗塞
6. 心筋梗塞
7. 高尿酸血症
8. 睡眠時無呼吸群
9. 関節疾患(変形性膝関節症他)
10. 肥満関連腎臓病
11. 婦人科系疾患(無月経など)

肥満症においてはメタボリックシンドロームの原因となる内臓脂肪蓄積に伴う肥満と、皮下脂肪蓄積に伴う肥満症があります。
肥満症の治療は減量です。下記の方法に基づき減量をしていきます。

1. 食事療法
2. 運動療法
3. 認知行動療法 
4. 薬物療法
5. 手術療法脂質異常症脂肪肝・非アルコール性脂肪性肝炎脳梗塞

減量の目標はまずは肥満症で現体重から3〜5kg高度肥満症は現体重から5〜10%となりますが、個々の病態により目標体重は異なりますので、各々の患者さんと相談しながら減量方法・ゴールを共に考え減量していきます。
減量早期より糖尿病・耐糖能障害、高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、脂肪肝に伴う肝機能障害などの病気の改善が期待できます。
 
巷にはいろいろなダイエットがありますが、減量のためには、長期的に継続できる、正しい知識の習得が必要です。
健康診断・職場健診で肥満を指摘されたら、早めに減量行動をすることが、将来の病気につながらない秘訣です。

低血糖症

低血糖症の原因として最も多いのが不適切な糖尿病治療や自己管理です。
その他にもアルコール大量摂取、飢餓状態(栄養失調)、胃切除後、インスリン抵抗性による食後の過剰インスリン分泌、インスリン産生腫瘍、副腎不全など様々な原因によっても低血糖が生じます。
当センターでは、必要に応じてこれらの鑑別診断*4を行い、望ましい治療や対処法を推奨します。
 

【用語説明】
 *4鑑別診断:症状を引き起こしている疾患を絞り込むための診断

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