お知らせ

産婦人科の共同研究の成果が米国周産期雑誌に掲載されました
2023.08.02
患者様 医療関係者の方

【メディア掲載】

太田西ノ内病院産婦人科の共同研究が米国周産期雑誌に掲載されたことを、
7 月 19 日の福島民報新聞と福島民友新聞に取り上げていただきました。

概要

前置胎盤癒着胎盤における REBOA の術中出血減少効果を報告


太田西ノ内病院産婦人科 経塚標医長と野村泰久部長が共同研究を行い、福島県立医科大学との研究協力のもと、産科的に最もハイリスクとされる前置胎盤による子宮摘出手術において、大動脈遮断バルーン(REBOA)が出血制御に有効であることが米国周産期雑誌に掲載されました。


研究チームは、約 2000g の術中出血量減少につながる効果を示す臨床研究結果を得ました。REBOA は、バルーンを大動脈内に挿入し、子宮動脈血流を一時的に遮断することで手術中の出血制御をサポートします。この手法の適用により、前置胎盤による子宮摘出手術における出血リスクの低減が期待されます。


これまでの研究では、REBOA が救急救命領域での出血制御に効果を示してきましたが、この研究によりその有用性が産科領域においても示されました。手術中の出血制御は、母体および胎児の安全性にとって重要な要素です。この研究結果は、前置胎盤による高リスク手術における術中出血の管理に向けた新たなアプローチを提案するものです。

今後の展望としては、さらなる大規模かつ多施設共同の臨床研究を進め REBOA の有用性と安全性についてさらなるエビデンスを積み重ねていく予定です。これにより、前置胎盤による子宮摘出手術における出血リスクの低減や予後の改善につながることが期待されます。