当循環器センターは1991年に開設され、循環器内科医と心臓血管外科医がチームを編成し、心臓病(虚血性心疾患、不整脈、心不全等)や大血管(動脈解離、動脈瘤等)の病気の検査・診断から治療・手術まで一貫して行っている独自の施設です。CCU・心臓カテーテル室は病棟に併設されており、急変時の迅速な対応が可能です。
特徴
- 日本循環器学会の認定循環器専門医研修施設で、学会指定の専門医により治療がなされます。
- 日本胸部外科学会の認定医制度指定施設で、経験の豊富な心臓血管外科専門医が外科側の治療にあたります。
- 循環器内科、心臓血管外科の専門医が密接に協議し,連繋のもとに治療が行われています。
- インフォームドコンセントを大切にし、現時点におけるスタンダードな治療を最新の技術で提供できるよう、日夜努力しています。
- 当院の救急救命センターと常時、連繋しており、循環器内科医7名(専門医4名)と心臓血管外科医3名に加えて数名の研修医、そして多くのコメディカルスタッフが24時間で対応できる体制をとっております。
- 短期入院(カテーテル治療で3日~7日間、冠動脈バイパス術で14~21日程度)を実践しています。
- 外来部門における密接なフォローアップを行いますが,同時に地域医療機関との連繋も大切にしています。
診療内容の概要
循環器内科

虚血性心疾患の診断と治療 (狭心症,心筋梗塞) | 64列冠動脈CTによる狭心症、心筋梗塞の診断、心臓カテーテル検査、経皮的冠動脈形成術(バルーン、ステント、ロタブレータ)を適切な時期に、より安全な方法で治療を提供しています。 |
---|---|
弁膜症の診断と治療 | 心エコーを中心に弁膜症の診断とフォローアップ,手術療法の必要時期を適切に判断 しています。 |
心不全の治療 | 基礎疾患ごとの病態評価とエビデンスに基づく治療の選択を行い、心室再同期療法(CRT)も行っています。 |
不整脈の治療 | 徐脈性不整脈に対するペースメーカー治療、ならびに頻脈性不整脈の薬物治療、高周波カテーテルアブレーション、植込型除細動器(ICD)による治療を積極的に行っています。薬剤が無効となった発作性心房細動の患者にも高周波カテーテルアブレーションを積極的に施行しています。 |
下肢の閉塞性動脈硬化症の治療 | カテーテルによる狭搾血管、閉塞血管に対し血管形成術を積極的に行っています。 |
肺塞栓症、静脈血栓症の治療 | 急性期の血栓溶解療法、抗凝固療法,下大静脈フィルターによる治療を行っています。 |
心臓リハビリテーション | 狭心症・心筋梗塞・心不全・開心術後 下肢閉塞性動脈硬化症の方に生活の質向上を目的に行っています。 |
心臓血管外科


虚血性心疾患に対する外科治療 (狭心症、心筋梗塞、心筋梗塞合併症) | 冠動脈バイパス術、心室瘤切除、左室形成術、心室中隔穿孔の閉鎖など |
---|---|
弁膜症に対する外科治療 | 弁置換術、弁形成術 |
大血管手術 | 大動脈瘤、大動脈解離に対する人工血管置換術や大動脈修復術、グラフト付ステントによる動脈瘤の治療 |
先天性心疾患 | 心房中隔欠損症や心室中隔欠損症、動脈管開存症などに対する手術 |
不整脈疾患に対する外科治療 | 心室頻拍の外科治療、心房細動、粗動に対する外科治療など |
末梢血管手術 | 閉塞性動脈硬化症に対するバイパス術、急性動脈閉塞に対する血栓除去術、慢性腎不全に対する血液透析用内シャント造設術、静脈瘤手術など |
学会、研究など
循環器疾患の診断・治療に関する進歩は目覚しいものがあります。当センタースタッフは、国内外の学会・研究会に積極的に参加し、日夜研鑽に勤めております。
また、地域の病・診連携、病・病連携として、以下の企画・運営に関わっております。
- ADATARA Live Demonstration:カテーテル治療の全国規模ライブ研究会
- MCIC:カテーテル治療困難例の終夜症例検討会
- 県南CTO倶楽部:カテーテル治療困難例の症例検討会
- 県南不整脈研究会:不整脈に関する検討会・講演会
- CVCC(Cardiovascular Case Conference):循環器疾患患者の症例検討会
- ふくしま心エコー研究会:心エコーに関する生理検査技師と医師の合同研究会